ラオス、森と暮らし

森や川を守り、暮らしを守る

インドシナ半島内陸部の『ラオス』では、近年の経済開発事業により森林伐採が進み、自然の恵みに頼って暮らす農村部の人々は、その生活基盤を脅かされています。
地球の木はJVC(日本国際ボランティアセンター)を通してラオスの村人の自立支援をしていますが、それは”足りないものをあげるのではなく、つくる方法を一緒に考える”という姿勢に共感するからです。

JVCがめざすこと・・・
村人が自分たちの共有資源を適切に管理し、利用していく。

セコン県の農村部の村人たちが、村の共有自然資源(森、土地、川など)の価値を見直し、海外企業などからの不当な収奪に対処できるよう自立支援を行う。

地球の木がめざすこと・・・
村人の持続可能な「奪わない暮らし」から得た多くの知見や学びを日本社会に伝える。

「開発」が途上国にもたらす課題と私たちの消費生活とのつながりを知り、地球規模の共通課題として共に考えていく。

活動状況

JVCラオスの活動

~村人が自然資源を主体的に管理・利用できるようになるために~

  1. 村境を確定、地図化、行政への登録をサポート
    住民や行政官に対し住民の自然資源への権利についての講習会を実施します。
  2. 共有資源管理の仕組みの導入
    コミュニティー林・魚保護地区を各村の必要に応じて設置し、利用ルール作りに協力します。
  3. 提言活動
    共有資源管理について成功事例を紹介したり、行き過ぎた開発事業に対しては改善を求めるなど、関係行政機関に提言します。

地球の木の活動

  1. 報告会や会報を通して、ラオスで今起こっていることやJVCの活動を発信していきます。
  2. ラオスで起こっている自然環境破壊と日本の私たち暮らしとのつながりを知り、自分事として考えるために、ワークショップを学校や地域で行います。
  3. 日本の森林問題、グローバルな環境問題を視野に入れ、森林保全や里山関連の他団体ともつながりながら、勉強会や講演会を企画、近隣の森歩きなどのフィールドワークなども実施していきます。

現地パートナー

JVC日本国際ボランティアセンター ( https://ngo-jvc.net )

日本国際ボランティアセンター(JVC)は、1980年にインドシナ難民の救援を機に発足し、アジア・中東・アフリカの10の国・地域で支援活動を行っている国際協力NGOです。
急激な変化にさらされている農村でその地に生きる人々が地域の資源や知恵を活かして暮らしを改善できるよう、研修など学ぶ機会を提供しています。

2022年に、南部のセコン県に活動地を移し、土地や自然など、共有の資源に関する活動に絞った新たなプロジェクトがスタートしています。
森林と河川資源を持続的に利用するために村の森と川を保全する仕組み「コミュニティー林」と「魚保護地区」を設置しました。

JVCラオス、プロジェクト担当者

JVCラオス現地代表 山室良平さん

ラオスには派手さはないかもしれませんが、奪わない暮らしがあります。自然の恵みを使い、守りながら生きる村人たちの暮らしは豊かで、美しい。

JVCラオス事業東京担当 後藤美紀さん

村人が自分たちの手で暮らしを守れるよう、JVCは村人と協力して活動を続けてまいります。ラオスの問題は外からはなかなか見えづらいものではありますが、引き続き現地へ思いをよせていただけますと幸いです。