日本でも報道された通り、9月4日以降、ネパールでは政府によるSNS規制をきっかけに、Gen-Z(Z世代)を名乗る若者たちによる大規模な抗議デモが各地で発生しました。6日には首都カトマンズに数千人が集結し、一部が警官隊と衝突。数日間で主要政府施設や高級ホテルが放火される事態に発展し、オリ首相は辞任に追い込まれ、政権が崩壊しました。12日の警察発表によると死者51人、負傷者は1300人を超えています。
今回のSNS規制は、インターネット上で拡散する虚偽情報や過激な呼びかけが社会不安を助長していると政府が判断したことによりますが、多くの市民は「言論の自由の侵害」と受け止めました。その反発が、長引く雇用不安や政治家の汚職への不満と相まって一気に噴出した形です。一方で、暫定政権には、元最高裁長官のスシラ・カルキ氏が初の女性首相として任命されるなど、民主化やジェンダー平等の前進を期待する声も上がっています。
地球の木が支援活動をしているインドラサロワールの村々では、今のところ大きな混乱は報告されていません。地球の木では、引き続き現地の状況を注視しつつ、パートナー組織であるSAGUNと連携しながら、子どもたちの教育を守るために取り組んでまいります。
揺れるネパール ~ SNS規制と若者デモ、そして変革の兆し
